在職老齢年金とは?働きながら年金をもらうとどうなる?|シングル60ガイド
主に50代シングル会社員の定年前後の“気になる不安”に寄り添い、
年金・暮らし・働き方・終活まで制度に基づき解説しています。
実務経験と資格に基づく、わかりやすい情報発信を心がけています。
シングルの定年前後は、ひとりだからこそ迷いやすいもの。
「シングル60ガイド」は、定年前後によくある疑問について、
100の質問と回答で整理したQ&Aシリーズです。
「正解を決める」のではなく、「自分で判断するための考え方」を大切に、
FPとうかの視点でわかりやすくまとめています。
働きながら年金をもらうと、全部カットされるって本当?
全部ではないよ。一定の基準を超えた分だけ調整される仕組みなんだ。
じゃあ、働くと損ってこと?
そこも誤解しやすいところ。仕組みを知れば、落ち着いて判断できるよ。
在職老齢年金とはどんな制度か
現在50代の方であれば、原則65歳から年金を貰い始めます。
在職老齢年金とは、以下の要件を満たした方が
収入額により年金の一部が支給停止(減額)される制度です。
- 70歳未満の方
- 老齢厚生年金を受け取っている
- 働いて厚生年金に加入している
- 給与と年金の合計額が一定の基準を超える
ポイントは、
- 「年金がゼロになる制度」ではない
- 収入が多いほど、調整される可能性がある
という点です。
「働くと年金がなくなる」と思い込んでしまう方もいますが、
実際は“全額停止”になるケースは、収入がかなりある方のようです。
どんなときに減額されるのか
仕組みの考え方はシンプルです。
- 会社の「給与+手当+賞与の1/12」(これを総報酬月額といいます)
- 老齢厚生年金の月額
を足して、基準額※を超えた場合、
その超えた分の一部が支給停止になります。
※2026年4月以降の基準額は「65万円」
総報酬月額と年金額の合計が基準以内であれば、
年金は減額されません。
つまり、
- 働き続ける
- 収入が高い
という条件が重なると、調整が入る可能性があります。
なお、働いていて収入が高くても、”厚生年金に加入していない”
自営や業務委託で働く方は、減額の対象ではないです。
注)65歳より前に貰える「特別支給の老齢厚生年金」ですが、
生年月日の条件のため50代の方は支給対象ではないです
働くと損なのか?
ここが一番誤解されやすいところです。
収入が高く年金が一部減額されても、
「給与+減額後の年金」の合計で見ると、収入は増えているケースがほとんどです。
つまり、
働いた分すべてが無駄になるわけではありません。
前回ご案内した、年金を増やす3つの方法のうちの一つ、
厚生年金に加入し続けているため、
将来の年金額が少しずつ増える効果もあります。
50代シングル会社員向けの視点
シングルの場合、働くかどうかは収入に直結します。
在職老齢年金を考える際は、
- 何歳まで働くつもりか
- 給与と年金の合計はいくらか
- 将来の年金増額効果はどの程度か
を整理してみましょう。
【判断のヒント】
- 給与と年金を合わせた総収入はいくらになりそうですか?
- 年金が一部減額されても、働くメリットはありますか?
「年金が減る」という言葉だけで判断せず、
全体の収入で考えることが大切です。
よくある誤解と注意点
誤解①:働くと年金は全部止まる
計算をして基準を超えた分だけが調整対象になります。
年金額を元に、自分の給与額がどのくらいなら対象となるか確認しましょう。
誤解②:減額されるなら働かない方がいい
総収入で見ると、働いた方が増える場合が多いです。
また、厚生年金に加入しない働き方(例:自営業)であれば、
高収入を得ている方でも年金の調整はありません。
※この記事では制度の細かい例外までは扱いません。
判断の軸をつかむことを目的としています。
まとめ
在職老齢年金は、「働くな」という制度ではありません。
収入のバランスを見ながら、
働き方を調整するための仕組みです。
まずは、
- 自分の給与水準
- 想定される年金額
この2つを確認してみてください。
次は、60歳以降に賃金が下がった場合に使える制度について整理します。
👉 次に読むQ&A: q010 高年齢雇用継続給付とは?どんな人が対象?
この記事を書いた人
FPとうか
1級FP技能士/社会保険労務士試験合格者。
50代シングル会社員向けに、老後資金・働き方・学び直しなど、
「これからの人生を整えるための情報」を発信しています。
●定年前後に知っておきたい「5つのポイント」はこちら






