仕事や、やりたい事を選ぶとき、”これをやりたい!”と思いその目標に向かって努力しその目標を勝ち取る意思が強く努力家な方々がいらっしゃいます。スポーツ選手などがこのタイプが多いと思います。
例えば大谷選手。子供の時から”こうなりたい”がはっきりしていて、花巻東高校時代に記したマンダラチャートで具体的な文面で記して可視化、細分化し具体的な努力につなげる。
また、タイプは違いますが藤井総太棋士。もはやタイトルが多すぎて、お名前を書いたそばから間違いを指摘されそうな勢いです。あの方も、将棋で今よりさらに強くなる事を常に考えられている暮らしをされているのでしょう。
そのようにやりたい事、努力の方向が分かりやすい方を「山登り型」とお呼びします。
山登り型は有名人が多め
「登る山がなければ、人生はただの谷間である」- ナポレオン・ボナパルト
「登りたい山を決めることで、人生の半分が決まる」-孫正義
どちらも確かに山を登っているタイプですね。アグレッシブな印象です。
「人の一生は重荷を負いて遠き道をゆくが如し・・」-徳川家康
ちなみに山とは一言も書いてありませんが、長年の忍耐苦労、生死をかけた何度もの大勝負の末に江戸幕府を開いた方ですし、ひたすら山の頂上を目指して歩くイメージです。
こちら、後世の創作説もありますが、”東照公御遺訓”として久能山東照宮の公式HPにも記載されているので、ご本人作だと思うことにしました。
(別の方が作成したとしても、内容の素晴らしさは変わりません。)
山登り型は行きたい方向がクリア
山登り型の方は、なにしろご自身なりの頂上が見えているため、努力の方向、方法が具体化しやすいです。
ラグビー日本代表だった福岡堅樹選手もフェラーリと呼ばれるほどのスピードでフィールドを駆ける姿は素人目にも別格でした。それなのに医師になりたいからとトップ選手の時期にあっさり引退。そして猛勉強をされ順天堂大学医学部に進まれました。
たまに難関資格の話で、長年努力されている方のお話も聞きます。司法試験を何十年も受験したうえで合格された方など。
社会保険労務士事務所に勤務していた際、付き合いのある弁護士事務所の新人弁護士の方がどう見ても運転手さんの雰囲気でした。話を聞くと10年以上トラックドライバーの仕事をしながら勉強を続けられていたそうです。
そこまで続けられ、目指すエネルギーが素晴らしいなと思いますが、もしも目指す方向が思い通り叶えられない場合は、なかなか苦しい日々となりそうです。(難関資格もそうですが、売り出し中のお笑い芸人、入りたい会社を狙い続けるもなかなか入れないなど。)
そんな時は、やりたい方向の周辺で角度を変えて狙うのもアリかもしれないです。
ちょっと見方を変えると違う景色も
目指したい頂上があっても、誰しもがその頂上に立てるわけではないです。(皆が社長や組織のトップ、金メダリストになれたりはしないですし。)やりたい事、目指す事の周りで頂上付近まで来ても、思う通りの結果にならない事の方が多いです。
その時は少し違うフィールドでの頂上、頂上を目指す人のサポート役になるなど、少し角度を変える方法で目指す方向を変えると、違う景色が見えるかもしれないです。
会社に例えると、社長や役員を狙わず、自分の専門領域でこの仕事は〇〇さんと認識されるようになる。スポーツに例えると、トップ選手にはなれずとも支える側に回る、あるいはご自身の競技経験を活かして大学などでの研究テーマにし、その専門家となる、などです。
万人が分かりやすい事でのトップを目指すではなく、自分で決めた山の頂上を目指していくのも悪くないと個人的には思います。(ナンバーワンでなくても、オンリーワンと言われる方向性です。)
あるいは、万人が分かりやすい事でのトップを目指しつつ、派生するプランBや全く違うプランCを頭の片隅にイメージしておく柔軟性を持つのは悪いことではないと思います。頂上は一つだけではないのですから。
目標設定にモヤっとする
おそらく多くの会社でやっている目標管理制度は山登り型を前提としている気がします。
個人的には、時期が来る都度それらしい目標を立てては、まぁまぁな自己評価で納め、何となく切り抜けていますが、何だかなぁとモヤっとする自分もいます。(職種が事務系ということもあり、例えば営業職のように目標を数値化できないのも原因かもしれないです。)
新卒で入社した会社で、たまたま人事部に配属されたところから社会人生活が始まり、資格取得の勧誘電話が何度もかかってきて社会保険労務士という資格を知り・・(就職したのは平成ですが、職場には勧誘電話がやたら多かったです。ボーナス時期にマンションの営業などもありました。)といった感じで、仕事はそれなりに真面目にこなしてきたものの、来たものに流されてきた自分は全く山登り型ではないです。
それは間違いなく、山登りと逆のタイプの「川下り型」です。世の中こちらのタイプの方が多いと聞きました。私のように目標設定にモヤっとされている人は多いのでしょうか・・?
その「川下り型」については追ってご案内いたします。