50代を迎え、仕事で忙しい日々を過ごす中ふとした瞬間に「このまま一人で老後を迎えるのか」という不安を感じる方も多いのではないでしょうか。特にシングルの場合、健康や人間関係、将来の生活に対するもやっとした不安が増してきます。
その中でも「孤独死」という言葉が頭をよぎることがあるかもしれません。たまたま日経新聞の記事で2024年に自宅で一人で亡くなった方は7万6千人超という記事がありました。
正直、自分自身も他人事ではないです。孤独死の現状とそのリスクを減らすために、今からできる人間関係の見直しについて考えたいと思います。
なぜ「孤独死」が他人事ではないのか
「孤独死」とは、誰にも看取られず自宅で亡くなり、死後しばらくして発見されるケースを指します。かつては高齢者特有の問題とされていましたが、近年では50代の現役世代にも増加傾向が見られます。
特にシングルで一人暮らしの方は、仕事を退職した後に社会的なつながりが希薄になり、孤独死のリスクが高まる可能性があります。このような背景から、孤独死は誰にとっても無関係ではない現実的な問題となっています。
つい最近では2024年12月にお風呂場の事故で亡くなられた中山美穂さん。ニュースで見たときは本当に驚きました。この方は思いっきり働き盛りの方でしたので、1日たたず周囲の方に発見されました。しばらくは入浴時のヒートショック対策などかなり気を付けたものです。
一般の人間が、リタイア後に同様な状態になった場合には、見つかるまで何日かかるのやら・・ニュースへの驚きもありつつ、もっと年老いた自分自身に置き換えて”これはまずい”という感覚を持ったものです。
一人暮らしの孤独死は年間7万6千人以上
日経新聞が2025年4月に報じた内容ですが、2024年中に一人暮らしの自宅で亡くなった人は7万6020人で、うち76.4%の5万8044人が65歳以上の高齢者だったことが警察庁による初めての集計で分かりました。
さらに年齢別では85歳以上が1万4658人と最も多く、75〜79歳が1万2567人、70〜74歳が1万1600人と続いています。
一人暮らしの自宅で亡くなった遺体のうち、死後8日以上経過していたケースについて「生前に社会的に孤立していたことが強く推認される」と分析されています。2024年では全年齢で2万1856人ほどが死後8日以上経過して発見されたのだそうです。
また、孤独死のリスクを減らすためには、地域とのつながりや人間関係の構築が重要であると指摘されています。具体的には、地域の見守り活動やボランティアへの参加、定期的な連絡の習慣化などが効果的とされています。
では具体的に何をすればいいのか・・?
今からできる人間関係の見直し
急に定年後に”地域デビュー”をしようとしてもなかなかハードルが高そうです。まだフットワークの軽い、現役の今のうちから着手できそうな対策は、以下のような事が考えられます。
- 地域コミュニティ活動の情報収集・参加
- 定期的な連絡の習慣化
- 健康管理と医療機関の連携
- 見守りサービスの情報収集
地域コミュニティ活動の情報収集・参加
地域のボランティア活動や趣味のサークルに参加することで、新たなな人との交流が生まれます。内閣府の資料によると、高齢者グループ活動に参加したことがある人は61%であり、これらの活動が孤独死対策として効果的であるとされています。
まずはご自身のお住まいの地域で、ちょっとしたボランティア活動(例えば海岸のゴミ拾い、花壇の手入れやイベントスタッフなど)の情報をチェックし、面白い内容のものは参加を検討してみるのも良いかもしれないです。
単発のボランティアでしたら、活動内容が思ったイメージと違ったり、メンバーの雰囲気があまり合わないな・・と思ってもその日だけで終えることもできそうです。チャレンジした自分を褒めて、また次に行きましょう。
定期的な連絡の習慣化
自分でも、もう少し少しマメに家族や友人に連絡を取るようにしようと実感しているところです。
家族や友人との定期的な連絡を習慣化することで、異変があった際に早期に気づいてもらえる可能性が高まります。電話やメール、SNSなど、自分に合った方法でコミュニケーションを取りましょう。
今ならLINEなど、短文やスタンプでさらっとやり取りできるものもあります。また長い付き合いの友人は引き続き大事に交流を続け、いつかはシングル仲間で日に一度生存確認するグループチャットでも作りたいと思います。
健康管理と医療機関との連携
定期的な健康診断や医療機関との連携を保つことで、体調の変化に早期に対応できます。また、持病がある場合は、主治医との関係を築いておくことが重要です。
今のところ有難いことに大きな病気は無く年1回の人間ドックと半年に一度の眼科と歯科だけです。しかもどれもそれなりに大きな病院なので、来なかったからといってイチイチ連絡は来ないのではないかと予想しています。
両親からしっかり糖尿病体質を引き継いでおり、血糖値もちょっと心配なので、将来何らかの治療の必要が発生したら地元でかかりつけ医を持とうと、医療機関もチェックしようと思っております。
見守りサービスの情報収集
自治体や民間企業が提供する見守りサービスを利用することで、万が一の際に迅速な対応が可能になります。一人暮らしの方は、こうしたサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
こちらは、現時点では仕事をしているため、さすがに出社しなければ1‐2日で異変に気付いてもらえそうです。そのため差し迫って加入しなくても大丈夫ですが、将来シングルの高齢者向けのサービスはますます充実してくると思います。
そんな見守りサービスを情報収集して検討し、リタイア時には実際に加入したいと思っております。
ちょっとした仕事をすることが一石三鳥?
ふと思ったのは、やはりちょっとした仕事を持つことで、社会的つながりを持ち、収入も(ほんのお小遣い程度だとしても)得られ、万が一連絡が途絶えたりすれば放置はされない一石三鳥な気がしてきました。
孤独死は誰にとっても無関係ではない現実的な問題です。特に50代の独身者は、今から人間関係を見直し、社会とのつながりを持つことで、そのリスクを大きく減らすことができます。まずはできることから始めてみましょう。
自分自身の安心と、周囲の人々とのご縁の糸を細くても切れないように、危機感を持った今こそ行動を起こす時だと思っています。まずは小さい一歩ですが、情報収集から・・と思っております。