「もう50代だから」とあきらめていませんか?実は今、50代でも転職で年収アップを実現する人が増えています。一方で、役職定年やリストラ、給与の減額など、不本意な事態に備えておく必要もあるのがこの年代のリアル。この記事では、50代独身会社員が「攻め」と「守り」の両面からキャリア転換に備える方法を解説します。
攻めのキャリア転換──転職で年収アップを目指す
エン・ジャパンの調査によると、50代の転職者数は2018年比で約5.3倍に増加。また、転職後に年収が10万円以上増えた50代の割合は42%に上っています。
今までは年齢層の高い人の転職は年収が下がる方が多いイメージでしたが、これはまさに、人手不足時代の追い風を受けて、50代が第二のキャリアを築けるチャンスが広がっている証拠です。
特に評価されやすいのは以下のような経験やスキルです:
- マネジメント経験
- 専門スキル(人事・経理・営業企画・ITなど)
- 業界知識や人脈
- 柔軟性と学び直しへの意欲
年収アップだけではなく、定年後に今までと違うやりたい事がある「攻めのキャリア転換」を目指す方も、あるいはもう少しのんびり働く方に梶を切りたい方など、セカンドキャリアの方向性はそれぞれかと思います。
まずは60歳以降まで見通してどう働きたいのか理想の形を考えつつ、自己分析とスキルの見える化から始めましょう。
出典:エン・ジャパン株式会社『ミドルの転職』転職者分析レポート2025
守りのキャリア転換──不本意な収入減への備え
一方で、50代は役職定年や希望退職、配置転換、給与減額など「不本意な変化」に直面しやすい時期でもあります。思わぬ不意打ちでダメージを受けないよう、あらかじめ「守りのキャリア転換」を意識した準備も不可欠です。
具体的な準備例:
- 副業による収入源の複線化(ブログ、講師、スキルシェアなど)
- 資格取得・リスキリングによるスキルの再構築
- 生活防衛資金の確保と支出の見直し
- 職場外での人間関係や情報収集の強化
本当は同じ職場で定年後再雇用でできるだけ長く働きたいと思っていたのに、思わぬ状況の変化が起きても、冷静に対応できる土台を整えておくことで、焦らず次の一手を打てるようになります。
役職定年や収入減などをきっかけに転職を考えるとき、余計な”プライド”や”見栄”がそうさせていないかを判断することも大事です。長年かけて築いた安定を一時の感情で投げうたないよう、まずは冷静な対応が大事です。
攻めと守りに共通するキャリアアクション
「攻め」と「守り」、一見正反対のように見えますが、実は共通して必要なアクションがあります。
- キャリアの棚卸し(実績・スキルの見直し)
- 情報収集(転職市場、業界トレンド、副業制度など)
- リスキリング・資格取得(中小企業診断士、ITパスポートなど)
- ネットワーク強化(信頼できる人脈の構築)
これらは、転職活動にも備えにも有効な「共通武器」。今は「攻め」も「守り」のイベントは始まっていない方も、いつか定年はやってきます。
また、生活防衛資金などを確保しておくことは大事です。心の余裕が全く違い、働き方や転職先を決断する際に落ち着いた判断ができます。
今から備えておけば、それぞれの小さなアクションが、未来の安心や選択肢を広げます。
独身だからこそ、自分の意思で未来を選べる強みも
独身であることは、キャリア転換の際は比較的柔軟な判断ができます。いわゆる”嫁ブロック”や”子供が結婚するまで勤め人でいたい”など家庭の制約に縛られず、自分の意志で転職や副業に踏み出しやすい環境にあります。生活拠点や時間の使い方を自由に設計できるのも大きな利点です。
「定年後、どんな事をして過ごすのか」を主体的に選べるのは、独身者の大きな強み。この自由さを活かして、自分らしいキャリアと暮らしのあり方を見つけていきましょう。
まとめ:50代は“選べる未来”をつくる分岐点
50代はキャリアの終着点ではなく、セカンドキャリアを再設計するチャンスです。攻めと守りを意識した行動をとることで、自分らしい未来が見えてきます。
焦らず、でも確実に。あなたの未来は、あなた自身が切り開けます。