割と資格試験系の会場は慣れている方です。FP、TOEIC、社会保険労務士、簿記、年金アドバイザー、秘書検定等々、社会人になってから試験会場に足を運ぶ機会は比較的あったと思っています。(TOEICは連続して受けていた時期が2度ありました。それだけで10回は超えています。)
FP1級の試験学科の会場は、過去にTOEICやFP3級でも使った会議施設で、行き方、会場の雰囲気にも慣れていたはずですが、部屋に入ると、今までと全く空気感が違っていました。
試験の猛者が隣に
会場の雰囲気はFP2級までとは明らかに違っていました。全体的に緊迫感があります。
- 最初から空席多め(受験料高いのに)
- キャラ強めな人(試験の猛者)が居る
まずは空席多い問題。何か事情があって今回はダメかな、と最初からあきらめて来ていないのか、あるいは感染症で来られない可能性があります。こちらは逆に自分の周辺にあまり人が居ない方が、逆に落ち着けるので良いかな、と思います。
試験の猛者(おそらく学科の受験回数多めな方と予想しています。)は色んな特徴の方がいますが、全体的に圧が強めです。2023年9月に予行演習気分で行った際には、”なんだか電卓の音が大きい人が遠くに居るなぁ”くらいでした。
本命にしていた2024年1月の時は、私の左側にはおそらく金融機関のサラリーマンのような一見普通に見える方でしたが・・
まず目に入ったのは床に転がっている靴。そして裸足。(空調効いているけど1月だよ!?)
次は床に置いてある謎の黄色い液体がいっぱいに入った2リットルペットボトル。(その色合い、絶対お茶ではないよね?)
初回の受験者とは思えない物慣れた様子に、これは試験の猛者だな、と思いました。ただ裸足と床の黄色い液体のペットボトル以外は変わった印象はなかったです。・・試験が始まる瞬間までは。席ガチャ、大当たりです。
高らかに響く電卓タップ音。(そんなに叩いて壊れないのか?)
時々床の2リットルペットボトルから黄色の液体をがぶ飲み(トイレは大丈夫・・?)
何より影響が大きかったのは激しい消しゴム動作。(何をそんなに消しているんですかー。)
何しろ同じ会議机の左側が常に揺れるので基礎編の時はマーク(「0」の形)を塗りつぶしていて円から余分な線が出るくらい。
午後の応用編になったら、気のせいか会場の人数が減っています。(午前であきらめたのか?)でも左側の猛者は裸足で着席されていました。ペットボトルの液体も半分くらいに減っています。
応用編は解答用紙に直接文字を書くため、さらに机が揺れます。計算式や書いている文字も消しゴムアクションの揺れに合わせて計算式がずれてしまい、書き直す羽目になりました。
先ほどお伝えしたTOEIC、社会保険労務士の試験などで、それなりの試験会場慣れはあったはずですが、規格外の出来事にただ驚きです。
いちいち“ツッコミ”モードに入ってしまい、”もしや、きんざいがランダムに会場に仕込んだ刺客だったりして・・”などとくだらない考えまで浮かんでくる始末。
そんな集中力欠きまくりの状態を救ってくれたのは、やはり「ほんださん」と「FP僧侶とやまさん」でした。FPキャンプには神も仏もいるのです。
事前のアドバイスで乗り切る
確かに事前に教わっていました。”試験の猛者”がいることを。
FPキャンプの関連動画で「ほんださん」は言われていました。他の級とFP1級学科試験の会場の雰囲気は違いますよ、と。そのため、驚きもありましたがそれと共に”うわ、キター!!”と(世界陸上の織田裕二のような)心の声を出しておりました。
やっぱり「FP1級は情報戦」です。前もって会場の状況なども聞いておけて助かりました。聞いていたからこそ、まだ猛者っぷりにツッコミを入れる心の余裕があったのです。
とはいえ、電卓のタップ音はともかく、絶え間ない机の揺れは想定外でした。動揺は多少少なくても集中力は欠きまくりです。
ところで、FPキャンプには、「FP僧侶とやまさん」という日蓮宗のお坊さんの講師がいらっしゃいます。近年で一番難易度の高かった2023年5月の学科試験で(合格率は何と3.5%。)一発合格されているだけで尊敬ものなのに、ボディビルで体も仕上がっているという、キャラ満載の笑顔の素敵な方です。
FPキャンプ受講中には毎日メールマガジンが届き、厳選した10問が載っている上に、素敵な一言が添えられています。直前にもアドバイスのメッセージをいただきました。ちなみに毎週日曜はシュワルツェネッガーの筋肉格言でした。
会場では深呼吸をしましょう、日々の積み重ねは裏切らない、などの助言達はそれだけを書くと普通ですが、お坊さんならではの仏教エピソードを交えた文面がほっこりとしていて、日々寄り添ってくれる安心感がありました。
会場でもそれを思い出し、一旦手を止めて目をつむり、深呼吸をしてリセットしました。その後目を開けて、目の前の問題を読むことに集中、集中。
最後は今までの努力が自分を支える
勉強期間中、特に夜の時間帯は疲労のせいか集中力が欠けていました。問題集を何週も解いていると見慣れてくるせいか、問題文が斜め読みになってしまい”前回解けていたのに今回は×”ということもあり、トラップに引っかかる自分に頭を抱えたくなる事は何度もありました。
そのため”(問題文を)よく読む!”という単純な事を何度も心の中で言い聞かせつつ、問題を解きました。
もう一つ。”(回答を)見直す!”事も心がけました。特に学科は4択のうち絶対コレが正解!と自信が持てたのは4割程度。多分コレが正解だと思う、がその”多分”に濃淡がありつつ3割強くらい。何この問題?見た事ないんですけど・・が2割は超えて潜んでいたという実感です。
そのため、”絶対コレ!”の問題は正解を再度読みつつ、きちんとマークされているか再確認、”多分コレ”の問題はもう一度きちんと読んで考える。
”何この問題?”にはそれなりに考えつつ思い切ってマークして、一度は見直ししましたが、そもそもインプットされていない知識は出せません。それ以上は時間を取られないよう、考えないようにしました。
午後の応用編も、穴埋めなどは全く見ていない問題はどうしようもないです。とりあえず記入はしましたが、見直しの時はそこを考え続けるより、計算間違いなどないか再度電卓をたたく方が有効です。
FP1級試験用に新たに購入した電卓ですが、気づいたら「=」と「C・CE」部分がたった半年で半分剥げていてました。
後は、持ち歩きやすいよう、分野別に縦にスライスしたテキスト。問題集を解く際、A4用紙を半分に折った物を解答用紙にし、表裏にびっしり解答をした物を捨てずに机に積み上げていたら10センチくらいになっています。そんな努力の痕跡がありました。
そのため”今回はやる事やったし・・”と変な達観した境地と、会場は縦に1列で20名くらい席はありましたが、欠席者がいるので実質前後で15名くらいだなと思いつつ、”この列で受かるのは私ですから!”くらいの、謎の自信で臨めました。
おそらくFP1級を受験される皆様も、私以上に努力の痕跡があると思います。仕事や日々の忙しさの中で、楽しみの時間や睡眠時間を削って、勉強時間をひねり出されたと想像します。
だから、猛者に遭遇して少々集中力を欠けたとしても最後は日頃の努力がモノをいいます。大丈夫です!どうか自信をもって挑んでくださいませ。