前回は学科試験への準備についてご案内しましたが、いよいよ試験当日の体験記です。
資格試験の会場には慣れているつもりでした。FP、TOEIC、社会保険労務士、簿記、年金アドバイザー、秘書検定……。社会人になってから多くの試験に挑戦し、一時期集中してTOEICは10回以上受験した経験もあります。
FP1級学科試験の会場も、過去にFP3級やTOEICで訪れたことのあるお馴染みの会議施設。アクセスや雰囲気もわかっていたはずなのに——当日は何かが違いました。
FP1級学科試験会場は、想定外の空気感
会場の雰囲気はFP2級までとは明らかに異なり、全体に緊張感が漂っていました。前回、合格は無いだろうと思いつつ一応試験を受け、会場の雰囲気を味わっておいて良かったです。
今まで受験した諸々の試験と違ったのは、
- 空席が目立つ(高額な受験料なのに…)
- キャラの濃い“試験の猛者”が存在
空席はおそらく体調不良や諦めによる欠席でしょう。個人的には隣が空いている方が落ち着けるのでありがたかったのですが……。
席ガチャ大当たり!? まさかの猛者が隣に
会議室用机で並んだ左隣の方は、カジュアル寄りなファッションの、40‐50代くらいの普通のビジネスマン風で第一印象は特に違和感はなかった・・ですが、足元を見ると裸足。(注:1月の試験です。)さらに床には黄色の液体が入った2リットルペットボトルが……明らかにお茶ではなさそうな色です。
試験が始まると、
- 電卓を強く叩くタップ音
- 時折謎の黄色い液体をごくごく飲む(トイレは大丈夫なのか…?)
- 猛烈な消しゴムアクションで机が揺れる
電卓の音が大きめの方が居る話は以前から聞いていましたし、前回試験でも遠くでなかなか響いていました。
しかし、猛烈な消しゴムアクションは完全に想定外で、基礎編のマークシートもズレるほどの揺れ。午後の応用編ではさらに机の振動が激しくなり、書いた式がずれて書き直す羽目に……。
今まで受けた資格試験の中で、試験環境は一番ハードでした。席ガチャ、大当たりです。
心を救ってくれたFPキャンプの言葉たち
試験会場での想定外の事態に戸惑いつつも、私を支えてくれたのはFPキャンプでの「ほんださん」や「FP僧侶とやまさん」からの事前アドバイス。
「FP1級は情報戦」と言われていた通り、“猛者の存在”をあらかじめ想定できていた”ことで、心の準備ができていました。
「とやまさん」のメルマガの中には、僧侶ならではの仏教のエピソードとともに
- 「深呼吸をしましょう」
- 「積み重ねた努力は裏切りません」
といったメッセージがあり、直前に思い出して深呼吸→リセット→集中し直すことで何とか持ち直しました。
努力の痕跡が、自分を支えてくれる
試験勉強中、集中できない時間帯もありました。その中でも「一度深呼吸」「とにかく問題をよく読む」「回答を何度も見直す」を心がけ、何度も繰り返してチェックしました。
問題を解いて絶対に正解だと思える問題は全体の4割ほど。「たぶんこれが正解」と感じた問題が3割。「見たこともない」と思った問題が2割もある感覚でした。全く”出来た感”はありません。
午後の応用問題では、初見問題に悩むよりも、計算式の見直しや記入ミスのチェックに時間を割くよう心がけました。そして机の揺れに負けないよう、解答用紙をしっかり押さえて記入しました。
最後に背中を押してくれたのは、積み重ねた日々
当日試験会場に持ち込んだ、1級学科対策用に新しく購入した電卓のキーは剥げてきてました。家には分野別に分解したテキスト、机に10cm以上積み上がっている解答用紙の束。(特に意味もなく積んでいただけですが。)そんな努力の痕跡が心の支えになり、試験当日、私は図々しくもこう思いこんでいました。
「この列で受かるのは私だっ!」
FP1級を受けるすべての方へ。猛者に出会っても大丈夫です。あなたの今までの努力は、きっと結果につながります。自信を持って、試験に挑んでください。
次回は学科試験終了後、実技試験までの体験談をご案内いたします。