FP1級試験に完全合格するには、実技試験の合格が必要です。実技試験は「きんざいの面接」か「FP協会の筆記試験」のいずれかを選べますが、私は比較的対策しやすいとされるFP協会を選びました。
前回記事でFP協会の筆記試験の試験対策についてご案内しております。
ただし、FP協会の実技といえど油断は禁物。1級学科やCFP6科目を合格した方でも一定割合の方が不合格となっているのです。学科ほどではないにせよ、問題集を何度も解き、しっかり準備したうえで試験に臨みました。
会場に着くまでがすでに勝負?混雑への備えが鍵
実技試験の会場は都内の比較的小さなビルで、駅から近くて便利でしたが、巨大会議施設のように広い待合スペースはなさそうです。
念のため余裕をもって30分前に着き、あらかじめ地図で調べた近隣の公園でプロテインバーなどを食べ、時間を潰していました。
集合時間の10分前にビルに入ると、まだ受験者は入れないのかホールには人があふれ、エレベーターも大行列。一瞬焦りましたが、周囲は同じ試験の受験者なのでまだ大丈夫なはず、と心を落ち着かせました。
ようやく目指すフロアに着いたら、トイレが空いていたので、席を探す前にまず入っておきました。出てきたら大行列が出来ていてまたビックリです。あらかじめ試験会場周囲の様子を調査しておいたことと、混雑を避ける柔軟な行動を心がけたのが功を奏しました。
試験問題を見てビックリ!まさかの出題内容
「過去問を何度か解けば受かる」と言われるFP協会の実技試験。私も過去問を数年分解き、合格ラインは常にクリアしていました。しかし、実際の試験では見たことのない初見問題が多数出題され、驚きました。
試験時間120分のうち40分残して一通り解けたものの、不安が残る内容。「設問をよく読む」「解答の数字転記ミス、誤字などないか見返す」を繰り返し、初見問題もヒントを頼りに粘りました。
論述問題は“ヤマ”が的中!消費者契約法が出題
論述問題では2024年の新NISA開始を受け、NISAの改正内容そのものより、大きな変化があった「周辺の法律」が出ると予想し、「消費者契約法」にもヤマをかけていたところ、見事的中しました。
論述問題は、問題用紙の余白にざっくり手書きで縦3本、横4本の線を引き、それぞれ縦線の左に句読点を含めた5文字、横線の上に5行書き(15文字×20行で)300文字前後の下書きを作成します。
まずは余白にキーワードを書き出してから文章を構成。若干文字数が足りない箇所には、苦し紛れで”消費者保護のため”などという文言も入れてみて、清書に臨みました。
反省点:法改正とトレンドにもっと注目すべきだった
FP試験では、法改正や制度変更の動向を把握しておくのが非常に重要です。私は1月に学科を合格し、9月に実技を受験したため、4月の改正をまたいでいました。にもかかわらず、先ほどご紹介した「消費者契約法」含めヤマをかけた部分はたまたま当たったものの改正点の対策は甘かったかな、というのが反省点です。
論述問題は過去問の繰り返しだけではなく、「新制度への理解」「”消費者保護”、”顧客の利益優先”を重点とした」知識も問われる試験だと感じました。今でも保険や医療・年金・相続など制度変更が多い分野は、法改正の知識+消費者(お客様)を保護する周辺法律の知識は要チェックです。
ようやくFP1級試験がすべて終了
長い戦いが終わりました。次回は、「振り返り」や「もう一度FP3級からやり直すならどう対応するか」について綴ります。これから受験される方の参考になれば幸いです。