前回はFP1級学科試験の対策についてご案内しましたが、そこを乗り越えればあと少しです。
FP1級の最大の山場である学科試験を突破しても、まだ終わりではありません。残る実技試験をどう乗り越えるかも重要です。
選択肢は大きく分けて「FP協会の筆記」か「きんざいの面接」。私自身は対策のしやすさからFP協会を選びましたが、今、改めて受け直すとしたらどうするか考えてみました。
筆記と面接、どちらを選ぶ?
FP協会の筆記試験: 年1回(9月実施)、受験料は20,000円で比較的安価。対策もしやすい。
きんざいの面接試験: 年3回(2月、6月、9月頃実施)、受験料は28,000円で高め。対策はやや不透明。
学科の合格時期や実技の試験対策できる時期によって違いますが、筆記と面接の両方対策を取るのは大変ですので、まずはどちらか選択した方が良さそうです。(9月学科試験で合格した場合は、翌年の筆記までかなり時間が空きますので、迷わず面接を選べそうです。)
- 1月学科受験(3月合格判明):6月の面接、次は9月の筆記
※私はこのパターンで年度末/年度初め多忙で6月はスキップ、9月筆記を選択しました - 5月学科受験(7月合格判明):9月の筆記、次は2月の面接
- 9月学科試験(11月合格判明):翌2月の面接、次は6月の面接
なお、FP1級実技は面接か筆記試験かどちらかを合格すれば完全合格です。ただ、実際にサバンナ八木さんのように筆記・面接両方を受験し合格される方もいます。本当に尊敬します。
FPキャンプで面接対策も
2024年12月、FPキャンプでも面接対策講座がリリースされました。動画やガイダンス、直前対策などが、学科より続けてFPキャンプ生の方は19,800円(1級実技から加入の方は39,800円)で約4か月受講可能で、対策の方向性がつかめそうです。これが当時あれば、私も面接試験に挑戦していたかもしれません。
また、完全合格者・学科合格者のLINEグループでは、試験当日の流れや会場の雰囲気などの情報交換が活発で、受験者の大きな支えになっています。
FPキャンプ事務局より「F1C」(FP1級クラブ)のお誘いがあったら是非参加してくださいませ。また、おそらくSNSでもFP1級受験生のグループなどあるのでは・・と思っております。
筆記対策は比較的取り組みやすい
FP協会の筆記試験の対策はFPK研修センター発行の俗に言う「緑本」一択ですが、実際には1級学科の問題集や、FP1級ドットコムも引き続き活用しました。
- 「1級FP技能検定実技試験(資産設計提案業務) 精選過去問題集 (FPK研修センター発行)」を繰り返し解く
※学科解答の状況を一覧に「〇:正解、△:正解だが理解不足、×:不正解」を記録し「△、×」は翌日再度解く - FP1級ドットコム:通勤中は一問一答を活用
- FP2級ドットコム:応用編の問題は1級実技と似た問題があり、復習すれば知識の定着も図れます。
- FPジャーナル:メルカリなどで半年分程度購入して、法改正などの特集を読み、知識を身につける
自宅学習で声を出して練習する必要がない、また学科を同じ教材を活用して復習もできる分、筆記試験の方が取り組みやすいかなと個人的には思っております。
論述対策は、文章作成手順と法改正周辺の知識に注意
論述対策は2つポイントがあり、1つ目はテーマに合った300文字程度の文章の作成です。
- 緑本の過去の論述問題の模範解答をそのまま写す:300文字の感覚をつかむ
- 模範解答のキーワードを書き出す
- 設問のキーワードを書き出し、それを元に300文字程度の文章に再構成する
※例えば「税理士の独占業務」をまず箇条書きにし、そのキーワードを含んで”FPはそれを行ってはいけない”などの文言を入れた300文字の文章に構成
300文字をいちいち数えるのも時間がかかるので、「紙に縦に3本、横に4本線を引く」ざっくり原稿用紙はお勧めです。縦線の左側に、句読点を入れて5文字、横線の上に5行書けば15文字×20行=300文字となり、文字数の目安がつかめます。
2つ目は、法改正周辺の知識に注意です。例えば保険関係の法改正があった場合、消費者保護につながる内容を確認し、キーワードのメモなどを作成することをお勧めします。
ついでながら経済ニュースにもヒントがありそうです。例えば、金融商品の販売で金融機関が金融庁から処分を受けたニュースがあったとして、何が消費者保護に問題があったのか、どのような法律に抵触するのかなどを考え、メモに記載しておくと感覚が身についてきそうです。
過去問の繰り返しに重点を置いてしまい、法改正の理解が浅かった個人的な反省も含め、もう一度受けなおすなら”法改正メモ帳”を作成しようと思います。
FP1級合格がもたらす自信と可能性
FP1級を取得することで、収入につながる可能性はもちろん、「人の役に立つ実感」が得られます。NISAや年金不安、金融教育などのテーマにも関心が集まっており、アドバイザーとしての活躍の場も拡大中です。
また、金融経済教育推進機構(J-FLEC)では、特定の金融機関や金融商品に偏らない中立的な立場で金融教育を進める認定アドバイザー制度の整備が進んでいます。FP1級取得者は、その知識と信頼性を活かしてこの制度の中核を担うチャンスがあります。
私自身は、今のところ具体的にこういう事をやろう、という計画は立てていないのですが、ブログで情報発信を始めるモチベーションになりました。難関資格に合格したという経験は、次の挑戦を後押ししてくれます。
FPキャンプ活用にもコツがある
FPキャンプの活用にもコツがあります。学習ガイダンスを元に、短期間で集中して使用することで費用対効果が最大化します。動画視聴や演習問題などを組み合わせて、計画的に学習を進めるのがポイントです。
筆記でも面接でも、学科に比べれば合格率の高い試験です。しっかりとした準備をして臨めば、確実に合格へ近づけます。次回は、FPキャンプを効果的に活用する方法をご紹介します。