FP試験を受けようと決心してから1級合格までの道のりを、数回に分けて体験記としてお届けします。これからFP資格取得を目指す方に、少しでも参考になれば幸いです。
第1回目は、FP3級にどのように取り組んだのか、試験対策や使用教材、試験の印象などを中心にご紹介します。
FP試験の実施団体と基本構成
FP試験は「日本FP協会」と「金融財政事情研究会(きんざい)」のいずれかを通じて受験します。
- 3級・2級はCBT試験となり、受験のチャンスはほぼ1年中あり
- 3級・2級は同日に「学科」「実技」の両方を受験可能
- 学科試験は両団体共通
- 実技試験は団体ごとに異なる
ちなみに受験した時はまだCBT試験が実施されておらず、会場でのペーパーテストでした。
実技試験の団体ごとの違いは?
実技試験の科目は受験する団体によって異なっています。
- FP協会: 資産設計提案業務
- きんざい: 個人資産相談業務、あるいは保険顧客相談業務
実技試験のどれを選択するかは、問題集などにすべてのジャンルが網羅されていますので、まずは本屋などでチェックして、一番自分が得意そうなジャンルを選ぶのが良いと思います。
【実技科目】※FP協会のHPより抜粋
1級 | 2級 | 3級 | |
---|---|---|---|
日本FP協会 | 資産設計提案業務 (学科試験は実施していません) | 資産設計提案業務 | 資産設計提案業務 |
一般社団法人 金融財政事情研究会 | 資産相談業務 | 個人資産相談業務 中小事業主資産相談業務 生保顧客資産相談業務 損保顧客資産相談業務 | 個人資産相談業務 保険顧客相談業務 |
FP3級の合格率は?
FP協会ときんざいでは受験者層に大きな違いはありませんが、合格率はFP協会の方が高めです。(FP協会:平均85%、きんざい:平均54%)
私が受験するときは、この合格率の差でFP協会の方を選んでしまいました。実際に問題集の中に全ての科目が収録されていたので全て勉強しましたが、難易度は明らかな違いは感じませんでした。
きんざいは金融機関などにお勤めの方が、会社の研修の一環で受験する方が多いようです。FP協会の方が自分の意志で受験を決める方が多そうです。もしかしたらそのモチベーションが合格率に影響しているように感じます。
FP3級の受験資格とは?
FP3級の受験資格は「FP業務に従事している者、または従事しようとしている者」とされており、年齢・学歴・実務経験などの制限はありません。
社会人・学生・主婦・リタイアされた方など幅広い層が受験しています。
使用した教材と勉強法
受験勉強には以下の2冊を使用しました。
- 史上最強のFP3級テキスト
- 史上最強のFP3級問題集
「史上最強の・・」シリーズは出題範囲のカバー率が高く、「これさえやれば大丈夫」という安心感がありました。
実技問題に電卓も必要でしたが、普段仕事でも使っている、ごく普通の電卓を使用しました。
私の勉強法:
- まずはテキストを1周通読
- 問題集に挑戦し、間違えた箇所をテキストで復習
- 翌日、前日の誤答を再度解く
- 問題集は5周ほど繰り返し
- 直前期に間違えた問題を集中的に復習
※2024年以降はCBT方式に移行されていますが、出題内容が大幅に変わっている訳ではないので、学習方法は基本的に同様で問題ないと思います。
試験概要と費用
- 勉強期間:約1か月(2022年12月後半〜)
- 受験時期:2023年1月(会場試験)
- 合格率:約85%(私の体感)
- 費用:教材 約3,800円+試験費用 約8,000円=合計 約12,000円
試験当日の印象
会場では高校生など若い受験者も多く、幅広い年代に注目されている資格だと感じました。
社会人にとっては、保険・年金・住宅ローンなど日常生活に関係の深い内容ばかりで、実践的に学べる点が魅力です。特に原価係数や減債基金係数など、日常では出会わないけれど資産形成には重要な知識も含まれています。
FP3級の重要性とマネーリテラシー
クレジットカードの使い方や住宅ローン、保険の選び方など、日常生活に直結する金融知識を身につける上で、FP3級は非常に有益だと感じます。実際に勉強自体も楽しみながら取り組めました。
昔に読んだ「金持ち父さん貧乏父さん」などの書籍や、自分自身の投資・貯蓄経験、さらには社会保険労務士試験の学びと重なる部分も多く、実務と連動した資格だとあらためて実感しました。
高校などでFP3級程度の知識を必修化しても良いのではと思えるほど、マネーリテラシーの基礎としておすすめできる資格です。
次回予告
次回は、FP2級へのステップアップについて、教材や試験対策を中心にご紹介する予定です。引き続きご覧いただけると嬉しいです。