海外旅行中のトラブル──たとえば、食あたりによる入院、スーツケースの破損、スマホの盗難など。そんな「まさか」に備えるのが、前回ご案内した。海外旅行保険です。実は、これらのトラブルは、クレジットカードに付帯する保険でカバーできる場合があります。
ただし、いくつか注意点もあるのです。
クレジットカードに付帯する保険の種類
クレジットカードに付帯している保険は医療費のカバーだけではなく、様々な種類があります。
- 傷害・疾病治療費用:海外で病気・ケガをした際の治療費
- 救援者費用:家族の現地渡航や捜索救助費用
- 賠償責任:現地での事故による損害賠償(例:ホテルの備品を壊した)
- 携行品損害:スーツケースやスマホなどの盗難・破損
- 傷害死亡・後遺障害:死亡や重い障害を負った際の補償
とはいえ、海外旅行保険との最大の違いがあります。それは「自動付帯」と「利用付帯」です。
「自動付帯」と「利用付帯」の大きな違い
自動付帯は持っているだけで保険が有効。一方利用付帯は、旅費や公共交通機関の支払いにカードを使ってはじめて保険が適用されます。保険を活かすには、どちらの付帯タイプかをしっかり確認しておくことが大切です。
また、利用付帯の内容によっては、対象は「旅行代理店のツアー」の申し込みだったりして、ホテルを自分で予約した場合は該当しないこともあります。
実際の補償内容と気をつけたい落とし穴
また、カードによって補償金額に大きな差があります。年会費が高めのカードは補償も充実していますが、年会費が永年無料のカードは海外旅行保険の補償は無しだったり、あっても金額が少なめです。
治療費用についてはは最低でも200万円以上あると安心ですが、中には100万円以下のカードもあります。
また、携行品損害は補償の対象外となるケースもあり、免責金額(自己負担)の条件にも注意が必要です。
海外旅行保険視点でおすすめのカード3選
「年会費が永年無料」で「傷害・疾病治療費用が200万円以上」の条件のみで選んだカード3種を以下のようにご紹介します。
- エポスカード(自動付帯):疾病治療270万円、キャッシュレス診療も対応
- 楽天カード(利用付帯):傷害・疾病治療200万円、ポイントが貯まりやすい
- 三井住友カード(NL・利用付帯):治療費用最大500万円、スマホ決済に強い
クレジットカードは、海外旅行保険の部分だけ注目して選ぶものではないですが、メインで使っているクレジットカードの海外旅行保険の補償内容が微妙な場合、年会費無料であれば、旅行時の予備の意味で持っておくのも悪くないかも、と思っています。
クレジットカード保険を上手に使いこなすコツ
「利用付帯」のカードでは、「旅費(航空券・ツアー代)」や「電車・バス代」などをカードで支払うことが必要となります。
複数カードの補償は基本的に合算不可です。最も補償が厚い1枚を活用することになります。
ただし海外旅行保険とクレジットカードの海外旅行保険は合算可能です。
また、現地での病院手配などはカード会社の緊急サポートデスクを利用するため、利用条件、緊急サポートデスクの連絡先などは事前にチェックしましょう。
まとめ|旅の保険は“持ち歩ける安心”から
年会費無料のクレジットカードでも、しっかりした海外旅行保険が付帯されていれば、旅先での不安を減らす“持ち歩ける安心”になります。
ただし、付帯条件や補償内容はカードごとに異なるため、旅行前に確認しておくことが重要です。(ついでながら、調べる限り年会費無料で国内旅行の補償がされるカードはほぼ無いです。)
海外での時差や食事、水の違いで急な体調不良は誰にでも起こりえる事です。観光名所やお店などの楽しい情報だけではなく、万が一の時の情報も諸々集め、備えて楽しんできてくださいませ!