「少し充電してから考えよう」と思っていたら、何もしないまま数ヶ月……気づけば大型連休も夏休みも、疲労回復や諸々の用事を優先したら、あれこれ考える気力すら湧かなくなっていた。そんな経験はありませんか?
2020年7月にPresident Onlineが発表した「1万人に聞きました『50代にやればよかった12の後悔』」では、第6位に「“ちょっと充電してから考えます”……思考停止病になっていた」がランクインしました。
これは、長年の経験の間にいつの間にか思考パターンが決まってしまい、「自分はどうするか?」という考え方ができず”充電してから”と回避してしまい、後日しまったと思ってしまう。おそらく50代以上の多くの方が振り返ると共感する後悔です。
思考停止とは「止まっていることに気づかない」こと
忙しい日々に紛れ、行動も思考も、いったん保留したまま数週間、数ヶ月と過ぎてしまう…。これは珍しいことではありません。
例えば、
- 「退職後の生活、もう少し考えてから…」と棚上げして何年も経過
- 「副業や資格取得はそのうち検討…」と悩んで数年、まだ何も始めていない
- 「地域活動、ちょっと面倒そうだな」と感じて保留のまま
こうした“保留状態”は、自分では意外と気づきにくく、「動いていない」ことそのものに麻痺してしまうのが特徴です。
しかも、この間にも時間は過ぎ、体力や環境、選択肢は確実に少しずつ減っていく──。それが「気づいた時にはもう遅かった」という後悔につながります。
なぜ50代で思考停止しやすくなるのか?
思考停止に陥りやすくなる背景には、以下のような要因があります。
- 心理的疲労:日々の忙しさに加え、これまでのキャリアで十分頑張ってきたという達成感と同時に、「もうこれ以上何を?」という虚無感
- 体力の衰え:行動のハードルが上がり、つい腰が重くなる
- 現状維持バイアス:新しいことに挑戦するよりも「今の安定を崩したくない」という防衛心理
- 情報過多:SNSや動画視聴で「考えた気になっている」だけの状態
さらに、2024年4月のPresident Onlineに記載されていた『50代になったら「仕事の責任」は脇に置け…和田秀樹が「老後に楽しみをとっておく人はバカ」と説く理由』では、40代後半から前頭葉の老化が始まっていて、その影響で体力も意欲も感性も衰えるのだそう。
上記のような要因、また前頭葉の老化もあり、将来への期待やチャレンジ精神が薄れ、“意欲の低下”が行動や思考の停止状態につながっていると見られます。
「動いてから考える」の逆転発想
和田先生は”もはや先送りはリスクでしかない”とのコメントもされています。「準備が整ってから」「もっと考えてから」と待っていると、いつまで経っても一歩が踏み出せない。
そんな時こそ、「考える前に動いてみる」という逆転の発想が有効です。
たとえば、
- 興味があるイベントに申し込んでみる
- 副業の情報収集や興味のある講座を聞くだけ聞いてみる
- 地域のボランティアに1日だけ参加してみる
こうした小さな「やってみる」は、完璧な準備がなくても始められます。今はオンライン開催などで参加のハードルが下がっているイベントや講座もあります。
行動して初めて、考える材料が手に入る。それが、思考停止を抜け出す第一歩です。
50代でも“再起動”できる小さな習慣
思考停止を防ぐには、「大きな決断」よりも「小さな再起動」を生活の中に取り入れることが効果的です。
- 毎朝10分のメモ:今日考えたこと・気づいたことを1行でも書き出す
- 月に1つ「初体験」:未経験のジャンルに1歩踏み込む(映画、読書、講座など)
- 他者との対話:勉強会、セミナー、SNSでの対話は“自分の思考の型”を壊す刺激に
「完璧じゃなくてもいい」「3日坊主でもいい」くらいの気持ちで取り組むことが、続けるコツです。
「ちょっと休もう」が悪いわけではありません。
ただし、休んだあとの“再始動”のタイミングを自分で決めておかないと、未来はぼんやりしたまま過ぎてしまいます。
後悔ランキング6位にある「思考停止」は、誰の身にも起こり得ることです。
個人的にも、大型連休にやろうと思ったことは、先に”ちょっと充電”をしてしまい、全てできていないのが常ですが、今は日々ブログを数分でも良いのでアクセスし、情報収集に努めるようにしております。
「そのうち考える」ではなく、「今できることを1つだけでもやってみる」。
それが、50代からの人生を再び動かす一歩になるのではないでしょうか。