トンチン年金のさわりは【前半】でご案内しましたが、とにかく長生きな方にはお得な年金です。その代わり万が一の死亡保障が少なく、亡くなった時期が早い場合は支払った保険料が全額回収できないという特徴があります。
相続の事をあまり考える必要のない、50代独身会社員(しかも投資がちょっと苦手な方)が長寿に備える手段の一つとしてはありかもしれません。
実際に日本国内でもいくつか保険商品がありますので、ご案内いたします。
日本国内のトンチン年金商品
日本で初めてトンチン年金を導入したのは、日本生命の「Gran Age(グランエイジ)」です。
2016年4月の発売以来、長寿リスクに備える新しい年金商品として注目を集めました。
その後、他の保険会社も同様のコンセプトの商品を展開しています。
主なトンチン年金商品
- 日本生命「Gran Age」:50~87歳(女性は86歳)まで加入可能。年金受取は60~90歳で選択可能。
- 第一生命「ながいき物語」:50~80歳まで加入可能。2017年発売。死亡返還金と解約返戻金は少な目の設計。
- 太陽生命「保険組曲Bestway 100歳時代年金」:60~80歳が対象。介護保障と組み合わせた設計。
- かんぽ生命「長寿のしあわせ」:50~70歳まで加入可能。医療保障をプラスできる。
これらの商品は共通して、死亡返戻金を抑え、長生きした場合に有利になる仕組みです。
詳細な商品比較はこちらの記事もご参考にどうぞ:
ダイヤモンドZai『トンチン保険比較特集』
加入者の傾向と統計データ
加入者は50~60代を中心としたミドルシニア層がメインです。中でも女性の加入割合が高く、日本生命の「Gran Age」では契約者の約60%が女性です。
月額保険料の中心は45,000~50,000円程度。年金額は年間50万円前後が一般的です。また、個人年金保険料控除の対象となります。
参考:日本生命「Gran Age」契約件数推移
2016年に発売開始をされた「Gran Age」の契約数ですが、発売約1年で5万件近くとのデータがありました。やはり長生きリスクの対応で検討される方が多いのかもしれないです。
- 2016年10月:25,000件
- 2017年4月:35,000件
- 2017年9月:48,000件
筆者自身の選択と“長生き戦略”
ちなみに私は会社の財形年金制度に加入し、給与天引きで積み立てましたが、年金の受取方法を終身逓増型にしています。こちらはトンチン年金と共通点ありです。
最初の年の受給見込み額はほんの数万円。長生きすればするほど受取額が増える設計ですが、平均寿命を何年か超えてようやく元が取れるのだと予想しています。
ちょっとしたバクチ状態ですが、長生きしてやるぞ!という気分にもなります。財形の年一度の受領額と累計額、積立額との収支報告がブログのネタになるのかもしれないです。そのためには自分自身の認知症対策も重要になりそうです。
思い出すのは、あのドラマの中で最後まで残って総取りをもくろむ三田佳子演じる主人公の母の姿。
本当に長生きしそうです(笑)。
人生100年時代──「どれだけ長く生きるか」が、老後の資金計画を大きく左右する時代。
トンチン年金は、その“長生き戦略”の一つとして、今後ますます注目されるかもしれません。