FPとうか|1級FP技能士・社労士試験合格
主に50代シングル会社員の定年前後の“気になる不安”に寄り添い、
年金・暮らし・働き方・終活まで制度に基づき解説しています。
実務経験と資格に基づく、わかりやすい情報発信を心がけています。

シングルの定年前後は、ひとりだからこそ迷いやすいもの。
「シングル60ガイド」は、定年前後によくある疑問について、
100の質問と回答で整理したQ&Aシリーズです。
「正解を決める」のではなく、「自分で判断するための考え方」を大切に、
FPとうかの視点でわかりやすくまとめています。

【シングル60ガイド|q025】
任意継続と国民健康保険の違いは?選び方のポイントは?

【結論ひとこと】
退職前年の収入が高い人は任意継続、下がる人は国保が有利になりやすく、任意継続は期限内の手続きが重要です。

マナリス

退職したら健康保険ってどうなるの?そのまま使えるの?

とうぴよ

そのままは使えないんだよね。任意継続か国保かを選ぶ必要があるよ。

マナリス

どっちがいいの?

とうぴよ

まずは定年時の収入が判断ポイントになるよ。あと任意継続は手続き期限が短いから、そこも要注意だよ。

前回は国民年金基金についてご案内しましたが、
今回は健康保険の選択肢についてとなります。

退職後の健康保険はどう変わるのか

会社員として働いている間は、健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に
加入していますが、退職するとその資格は失われます。

その後の選択肢として代表的なのが、
・任意継続(これまでの健康保険を継続)
・国民健康保険(市区町村の制度)
の2つです。

どちらも医療費の自己負担割合は基本的に同じですが、
保険料の決まり方や仕組みが大きく異なります。

特に50代シングル会社員の場合、
・退職前後で収入が大きく変わる
・再雇用や無職期間がある
といった事情から、「どちらを選ぶか」で負担に差が出やすくなります。

任意継続の特徴

任意継続の特徴

メリット
・退職前と同じ健康保険を最長2年間継続できる
・保険料は退職時の標準報酬月額で固定される
・扶養制度があり、扶養家族がいる場合は有利になることもある
・健保組合独自のサービス(保養所や健康診断の補助など)が使える

注意点
・保険料は会社負担がなくなり、全額自己負担になる
・収入が減っても保険料は下がらない
退職日の翌日から20日以内に手続きが必要(期限厳守)


また会社独自の健康保険組合の場合、
定年退職者は終身任意継続可能と
定めている健保も存在していました。

とにかく現在ご自身が加入している健保組合の
任意継続の内容チェックが肝心です。

任意継続の保険料について

任意継続の保険料ですが、退職後は会社負担分がなくなります。
今まで給与で引かれていた健康保険料が
単純に倍になるイメージですが、上限があります。

その上限は「平均標準報酬月額」までとなります。
加入している健康組合によって違いがありますが、
だいたい30万円くらいが目安です。

その30万円に対する保険料率も健保によって異なります。
その健保のHPなどで具体的な金額が確認できます。

参考:任意継続(協会けんぽ)

国民健康保険の特徴

国民健康保険の特徴

メリット
・前年の所得に応じて保険料が決まる
・収入が大きく減ると保険料も下がる可能性がある
・加入手続きは比較的余裕がある

注意点
・扶養の概念がなく、人数分の保険料がかかる
・自治体ごとに保険料水準が異なる
・前年の所得が高いと初年度の保険料が高くなることがある

そのため、前年の収入が高い方は任意継続の方が
保険料が安い可能性があります。

居住地の役所の国民健康保険担当に問い合わせをすれば
具体的な保険料の額が分かります。

50代シングル会社員が考えておきたいポイント

健康保険をどちらにするか。その判断ポイントは
「退職後の収入の見込み」と「健保独自のサービス(保養所など)を受けたいか」です。

50代シングルの場合、
・再雇用で収入が続く
・一時的に無収入になる
など、状況が人によって大きく異なります。

一般的な目安としては、
・退職前年の収入が高く、その後も収入が続く → 任意継続が有利になりやすい
・退職後に収入が大きく減る → 2年目以降は国民健康保険が有利になりやすい
と考えられます。

また、任意継続は「手続き締め切りまでがが短い」のが特徴です。
判断に迷っているうちに期限を過ぎると選べなくなるため、
定年前からあらかじめ保険料を計算し、手続きの準備をしておくことが重要です。

  • 退職後1〜2年の収入はどのくらいになりそうか?
  • 任意継続の申請期限(退職後20日以内)を把握しているか?
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よくある誤解・注意点

誤解①:「とりあえず任意継続にしておけば安心」という誤解

保険内容は同じでも、保険料は必ずしも有利とは限りません。
任意継続にした場合、自分の保険料はいくらになるか、
事前確認が大事です。

会社の人事担当か、健保組合に問い合わせをすれば
具体的な金額が分かります。

また健康保険組合によって異なりますが、

  • 健康診断が安く受けられる
  • 保養施設が使える
  • 医療保険に団体割引がある
  • 市販薬を割引価格で販売する

などのサービスがあります。
そちらを引き続き利用したいかも、
判断ポイントになります。

誤解②:「国保は安い」という思い込み

前年の所得が高い場合、初年度は想定以上に高くなることもあります。

また、保険料は市区町村ごとに金額が違ってきます。
ご自身の居住地の役所に問い合わせをして、
保険料を確認することをお勧めします。

※この記事では制度の細かい例外までは扱いません。
判断の軸をつかむことを目的としています。

まとめ

【今回のポイント】
退職前年の収入が高い人は任意継続、下がる人は国保が有利になりやすく、任意継続は期限内の手続きが重要です。

任意継続と国民健康保険は、
「どちらが良いか」ではなく「自分の状況に合うか」で選ぶものです。

今すぐ決める必要はありませんが、
・退職後の収入見込み
・それぞれの保険料の目安
・任意継続をする健保組合で、お得な制度はあるか
を確認しておくことで、納得感のある選択がしやすくなります。

まずは、
「任意継続と国保、それぞれの保険料を試算すること」から始めてみてください。

👉 次に読むQ&A: q026 定年後、社会保険料や税金はどう変わる?注意点は?


この記事を書いた人
FPとうか
1級FP技能士/社会保険労務士試験合格者。
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