FPとうか|1級FP技能士・社労士試験合格
主に50代シングル会社員の定年前後の“気になる不安”に寄り添い、
年金・暮らし・働き方・終活まで制度に基づき解説しています。
実務経験と資格に基づく、わかりやすい情報発信を心がけています。

シングルの定年前後は、ひとりだからこそ迷いやすいもの。
「シングル60ガイド」は、定年前後によくある疑問について、
100の質問と回答で整理したQ&Aシリーズです。
「正解を決める」のではなく、「自分で判断するための考え方」を大切に、
FPとうかの視点でわかりやすくまとめています。

【シングル60ガイド|q038】
外貨でも資産は持った方がいい?老後資金での考え方は?

【結論ひとこと】
老後資金では比率を抑え、値動きを受け入れられる範囲で持つのは有効です。

マナリス

最近、“円だけじゃ危ない”って話をよく見るんだけど、本当なのかな?

とうぴよ

外国通貨の方が金利も良さそうだし、気になるよね。でも、“全部外貨にする”みたいに極端に考えなくて大丈夫だよ。

マナリス

じゃあ、少し持つくらいならあり?

とうぴよ

うん。為替レートは変動しがちだから“値動きしても困らない範囲”で考えると整理しやすいよ。

なぜ「外貨」が話題になるのか

前回は債券の話でしたが、
最近は、円安や海外との金利差があることで、
「老後資金も外貨で分散して持った方がいいのでは」と
感じる人が増えています。

特に、
・日本円だけで大丈夫か不安
・インフレ対策を考えたい
・資産を分散したい
という理由から、外貨資産に興味を持つきっかけになります。

一方で、外貨資産には為替変動があります。

例えば、
海外資産自体は金利で増えていても、
円高になると日本円換算では資産が減ることもあります。

特に老後は、
生活費として日本円を使うことがほとんどなため、
“値動きへの耐性”も考えておく必要があります。

そのため、
「外貨を持つべきか」ではなく、
“どのくらいなら安心して持てるか”という視点が重要になります。

参考:円高、円安とは何ですか?(日本銀行)

老後資産を日本円、外貨で持つメリットと注意点

日本円中心で持つ場合

おそらくほとんどの方が、老後も日本で暮らすつもりで
日本円中心で資産を持たれていると思います。

考え方
・生活費を使いやすい形で管理する
・為替変動を避ける

メリット
・日常生活で使いやすい
・為替変動による不安が少ない

注意点
・円だけに偏って持つリスクもある
・インフレで実質価値が下がる場合がある

一部を外貨資産で持つ場合

資産の一部を外貨で持ち、円に換金して使う、
あるいは海外旅行の折などに、その通貨のまま使う方法があります。

考え方
・資産分散の一つとして活用する
・比率を抑えて持つ

メリット
・通貨分散につながる
・金利の高い通貨を持つ事で、海外資産の成長を取り込みやすい

注意点
・為替変動がある
・円換算で資産が減る場合もある

老後資金で外貨を持つときの注意点

大事なのは分散

老後資金で外貨を持つ場合は、
「生活費」と「分散用の資産」を分けて考えることが大切です。

日々の生活費は日本円で使うため、
数年以内に使う予定のお金まで外貨に偏らせると、
為替変動の影響を受けやすくなります。

そのため、
「増えそうだから持つ」よりも、
「値動きしても生活に影響が出ない範囲で持つ」ことが現実的です。

老後資産向けの通貨は、手堅さ優先で

長期的に使う資産の一部として外貨を持つことは、
通貨分散や海外成長を取り込む選択肢になります。

ただし、外貨資産は円換算で増えたり減ったりします。
特に老後資産向けは手堅い選択をした方が良さそうです。

様々な通貨がありますが、
・基軸通貨の米ドル、ユーロ
・金利が魅力の豪ドル、NZドル
・世界で最も安全な通貨と言われるスイスフラン

など、比較的変動の情報が取りやすい物を、分散して持つ事を検討してください。

また、外貨を購入する場合には「為替手数料」も意識して
金融機関を選んでください。

銀行の場合は、実店舗のある銀行より、ネット銀行の方が
為替手数料は低めに設定しています。

老後資金にレバレッジをかけたFXはリスク大

FX(外国為替証拠金取引)、
しかもレバレッジをかける方法は、
投資というより投機です。

老後資産ではお勧めできない方法です。

急な為替変動で「強制ロスカット」がとられたとき、
一瞬で資金を失ったうえに、残高がマイナスとなる
事態となる可能性があります。

参考:外国為替証拠金取引について(金融庁)

50代シングル会社員が考えておきたいポイント

このテーマで重要なのは、「外貨を持つかどうか」より、
“値動きしても生活に影響が出ないか”です。

例えば、
生活費まで外貨資産に偏らせると、
為替変動で不安が大きくなる場合があります。

一方で、
日本円だけに偏りすぎることに不安を感じる人もいます。

そのため、
老後資産では、
・生活費用は円で確保する
・余裕資金の一部で外貨資産を持つ
という考え方は、比較的整理しやすい方法です。

また、外貨資産といっても、
・外貨建預金
・海外株式
・海外債券
など種類はさまざまです。

また、例えば「S&P500」や「NASDAQ」に連動した
投資信託やETFであれば、
日本円建てであっても、米国の株式市場に投資しています。
そういった方法で海外の資産を持つのも一つの手段です。

大切なのは、
「なんとなく儲かりそうだから持つ」ではなく、
“自分が理解できる範囲で持つこと”です。

  • 円高や円安で資産が動いても、冷静に持ち続けられそうか?
  • リスクの高い方法で外貨を持とうとしていないか?

よくある誤解・注意点

誤解①:「外貨は金利が高く増える」という誤解

金利が高い外貨で増えていても、日本円へ換算した際に
為替変動や価格変動、為替手数料があり、
結果として増えていないケースもあります。

誤解②:「円だけでは危険」という思い込み

日本円そのものが紙くずになるような信用不安は考えにくいですが、
海外通貨、海外資産ばかり持つ偏りには注意が必要です。

※この記事では制度の細かい例外までは扱いません。
判断の軸をつかむことを目的としています。

まとめ

【今回のポイント】
老後資金では比率を抑え、値動きを受け入れられる範囲で持つのは有効です。

老後資産で外貨を持つ場合は、
「増えそうだから」だけでなく、
「値動きに耐えられるか」も大切になります。

今すぐ外貨資産を増やす必要はありませんが、
・生活費用の円資産
・分散用の外貨資産
を分けて考えることで、不安を整理しやすくなります。

まずは、
「自分はどのくらいの値動きなら落ち着いて持てそうか」を考えてみてください。

👉次に読むQ&A: q039 老後の資産寿命を延ばすためにできることは?

あわせて読むことで、資産全体の管理方法も深めやすくなります。


この記事を書いた人
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1級FP技能士/社会保険労務士試験合格者。
50代シングル会社員向けに、老後資金・働き方・学び直しなど、
「これからの人生を整えるための情報」を発信しています。

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