早期退職制度に応募する?その前に何を確認する? |シングル60ガイド
主に50代シングル会社員の定年前後の“気になる不安”に寄り添い、
年金・暮らし・働き方・終活まで制度に基づき解説しています。
実務経験と資格に基づく、わかりやすい情報発信を心がけています。
シングルの定年前後は、ひとりだからこそ迷いやすいもの。
「シングル60ガイド」は、定年前後によくある疑問について、
100の質問と回答で整理したQ&Aシリーズです。
「正解を決める」のではなく、「自分で判断するための考え方」を大切に、
FPとうかの視点でわかりやすくまとめています。
会社で早期退職制度の募集が始まったんだ。割増退職金もあるみたいだし、応募した方が得なのかな?
その気持ちは分かるよ。でも、退職金だけで決めるのは少し危険かも。
他にも確認することがあるの?
あるよ。次の仕事が見つかるまでの生活費や、失業給付、年金額の変化も含めて考えると判断しやすくなるよ。
早期退職制度は「割増退職金」だけで判断しない
会社が募集する早期退職制度には、大体50代の方を中心に実施され、通常より多い退職金が支給されるケースがあります。
そのため、募集が始まると
- 今辞めた方が得ではないか
- 会社の将来が不安だから辞めるべきではないか
- 新しい人生を始めるチャンスではないか
と考える方も少なくありません。
確かに、割増退職金は魅力的な条件です。
前回ご紹介した、定年前に完全リタイア(俗にいうFIRE)を検討されている方にとっては、退職後の生活資金面は、まさに渡りに船状態になりそうです。
それ以外の方は、
単なる退職金の話だけで飛びつくのではなく、
慎重な検討が必要です。
早期退職制度に応募する前に確認する2つのポイント
50代になると、黒字の会社であっても会社の組織再編や人員整理の一環として早期退職制度が実施されることがあります。
対象年齢になり、自分にも案内が届くケースもあるでしょう。
また、長年働いてきた人ほど、
そのため、早期退職制度を検討する際は、
- そろそろ仕事を変えたい
- 定年前に新しいことへ挑戦したい
- 職場環境に疲れてしまった
という気持ちを持つことがあります。
そのため、割増退職金の話を聞くと魅力的に感じやすいのです。
一方で、50代は再就職市場では決して若い年代ではありません。
転職先によっては収入が下がることもあります。
だからこそ、以下の2点を検討することが重要になります。
1)早期退職したら何をするのか
2)退職後~年金受給開始までの生活が成り立つか
早期退職後の生活パターン
パターン① 退職後すぐに働く予定がある場合
転職先の見込みがある場合や、独立・開業の準備が進んでいる場合は、早期退職制度を活用する考え方があります。
割増退職金を新しいスタート資金として活用できる可能性があります。
ただし、
- 転職の場合:雇用条件や収入は必ず確認
- 独立開業の場合:当面の生活資金は確保できているか
など、当面の見通しを見積もる必要があります。
「何とかなるだろう」だけで判断するのは避けたいところです。
パターン② しばらく働かない予定の場合
完全リタイアや長期休養を考えている場合は、生活費の計算が重要になります。
退職金だけでなく、失業給付や年金開始時期も含めて確認する必要があります。
特に60歳前で退職する場合は、年金受給までの期間が空くことがあります。
年金額も再度試算をしておきましょう。
また、年金受給開始までの生活費をどのように賄うかを考えておきましょう。
パターン③ まだ迷っている場合
早期退職制度は人生の大きな決断です。
迷っている段階で無理に結論を出す必要はありません。
まずは、
- 退職金額
- 失業給付の見込み
- 再就職の可能性
- 年金受給開始時期
- 年金見込額の変化
- 毎月の生活費
を整理してみましょう。
数字を確認するだけでも、判断しやすくなることがあります。
50代シングル会社員向けポイント
50代シングル会社員の場合、これから進学予定の子供などがいないため、早期退職に応募するか自由に決められます。
その際、特に確認したいのが「収支の空白期間」です。
例えば、
- 58歳で退職する
- 再就職は未定
- 年金受給は65歳からのつもり
という場合、7年間の生活費をどのように確保するかが重要になります。
また、退職翌年は健康保険や住民税の負担も発生します。
退職金の金額だけを見るのではなく、退職後の支出も含めて考えることが大切です。
早期退職制度は、人生を前向きに切り替えるきっかけになることもあります。
しかし、そのためには「辞めた後の生活設計」が欠かせません。
【判断のヒント】
- 退職後に収入がなくても、年金開始まで生活できる資金はありますか?
- 退職後に何をしたいか、具体的なイメージがありますか?
よくある誤解・注意点
誤解①:割増退職金があるなら応募した方が得
割増退職金は魅力的ですが、
- 再就職をしないとその後の収入がなくなること
- 年金の額も減る可能性あり
も考慮しなければなりません。
退職金だけで損得を判断するのは避けたいところです。
誤解②:再就職は何とかなる
再就職できる可能性はありますが、収入や条件が以前と同じとは限りません。
楽観的な前提だけで計画を立てないことが大切です。
また、早期退職制度の中に再就職の紹介会社利用も入っている場合は、活用することも検討しましょう。
無理に再就職を狙わなくても、キャリアカウンセラーなどと話しをするうちに、新たな気づきがあるかもしれません。
※この記事では制度の細かい例外までは扱いません。
判断の軸をつかむことを目的としています。
まとめ
早期退職制度は、人生を見直すきっかけになる制度です。
ただし、判断する際は退職金だけでなく、
- 退職後の収入
- 毎月の生活費
- 年金受給までの期間
- 再就職の可能性
- 今後の生き方
も合わせて考える必要があります。
まずは「辞めた後はどうしたいか」を頭の中でシミュレーションしてみましょう。
その考えが整うと、自分にとって納得感のある判断がしやすくなります。
👉 次に読むQ&A: q051 定年後に仕事を探すとき、どんな支援を使えばいい?
について整理します。再就職や仕事探しで活用できる支援制度を見ていきましょう。
この記事を書いた人
FPとうか
1級FP技能士/社会保険労務士試験合格者。
50代シングル会社員向けに、老後資金・働き方・学び直しなど、
「これからの人生を整えるための情報」を発信しています。
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