定年が近づく前に、介護離職にどう備える? |シングル60ガイド
主に50代シングル会社員の定年前後の“気になる不安”に寄り添い、
年金・暮らし・働き方・終活まで制度に基づき解説しています。
実務経験と資格に基づく、わかりやすい情報発信を心がけています。
シングルの定年前後は、ひとりだからこそ迷いやすいもの。
「シングル60ガイド」は、定年前後によくある疑問について、
100の質問と回答で整理したQ&Aシリーズです。
「正解を決める」のではなく、「自分で判断するための考え方」を大切に、
FPとうかの視点でわかりやすくまとめています。
親の介護が必要になったら、仕事を辞めるしかないのかな・・って不安なんだ。
そう考えてしまう人は多いけれど、まずは仕事を続けながら介護する方法を考えてみよう。
両立できる方法ってあるの?
会社の制度や介護保険サービス、公的支援を組み合わせた自分なりの「仕組」を作ることが大事だよ。
介護離職は「最後の選択肢」と考える
50代になると、自分の老後だけでなく、親の介護について考える機会も増えてきます。
突然介護が始まり、「仕事を続けられるだろうか」と不安になる方も少なくありません。
しかし、介護が必要になったからといって、すぐに仕事を辞める必要があるとは限りません。
会社の制度や介護保険サービス、公的支援を活用しながら働き続けている人も多くいます。
介護離職は、一度収入が途切れるだけでなく、その後の再就職が難しくなる場合や、老後資金づくりにも影響することがあります。
そのため、介護離職は最初に考える選択肢ではなく、「さまざまな方法を試した後の最後の選択肢」と考えることが大切です。
シングルは一人で抱え込まないことが大事
親が高齢になる50代は、介護と仕事の両立が現実的な課題になります。
特にシングルの場合は、介護を相談できる家族が近くにいないこともあり、
兄弟がいても”身軽な独身だから”と任されがちで、
一人で抱え込みやすい傾向があります。
また、
- 急に介護が始まった
- 誰にも頼れない
- 仕事を続ける自信がない
という状況になり、経済的にもそう心配がないと、
「仕事を辞めるしかない」と思い込んでしまうことがあります。
しかし、現在は介護休業制度や介護休暇、介護保険サービスなど、仕事との両立を支える制度が整備されています。
また介護福祉士などの講座は、前回ご案内した教育訓練給付金の対象講座となっており、人材育成に力を入れています。
まずは利用できる制度を知り、「介護は仕組みで担う」意識を持つことが、介護離職を防ぐ第一歩になります。
介護離職を避けるためのポイント
ポイント① 会社の制度を確認する
介護休業制度や介護休暇、短時間勤務制度などを利用できる場合があります。
会社によって利用できる制度は異なるため、就業規則や人事担当者に確認してみましょう。
制度を活用することで、仕事を続けながら介護できる可能性があります。
ポイント② 介護保険サービスを利用する
介護は家族だけで抱え込むものではありません。
訪問介護やデイサービス、ショートステイなどの介護保険サービスを利用することで、介護の負担を軽減できます。
地域包括支援センターは、本格的な介護前のちょっと心配な状態でも相談できます。
早めに相談先を持っておくことも大切です。
一人で頑張りすぎないことが、長く介護を続けるポイントになります。
ポイント③ 介護離職による影響も考える
もしかしたら、親が
・絶対に人の世話にはなりたくない
・施設には入りたくない
というタイプで、子の負担が多くなりがちな場合、
自分が直接面倒を見ないと、と思うこともありえます。
それでも、仕事を辞めると、給与収入がなくなるだけでなく、厚生年金への加入期間が短くなる場合があります。
また、再就職が思うように進まないケースもあり
子の老後の計画が大きく狂う可能性があります。
何より、介護だけの生活になると、働く負担は減るものの
孤立感も感じてしまう可能性もあります。
介護が終わった後の生活も見据え、長期的な視点で判断することが大切です。
50代シングル会社員向けポイント
50代シングル会社員にとって、介護離職はご自身の老後の生活設計にも大きく影響します。
収入が途絶えるだけでなく、将来受け取る年金や老後資金づくりにも影響する可能性があります。
介護問題が発生した際、丁度「早期退職制度」の募集があったとしても、
渡りに船と飛びつかず、じっくり検討してください。
仕事を辞めることで社会とのつながりが減り、介護が終わった後に孤立感を抱えるケースもあります。
だからこそ、
- 会社の制度を利用する
- 介護保険サービスを活用する
- 地域包括支援センターへ相談する
- 一人で抱え込まない
という考え方を基本にしたいところです。
介護と仕事を両立する方法は、一人ひとり異なります。
まずは利用できる制度を確認し、自分だけで対応しようとしないことが大切です。
【判断のヒント】
- 介護が始まったとき、相談できる相手や窓口を把握していますか?
- 仕事を辞める前に利用できる制度やサービスを確認しましたか?
よくある誤解・注意点
誤解①:介護は家族が担うもの
現在は介護保険サービスや地域の支援制度を利用できます。
介護は「家族の誰か」ではなく「仕組みで担う」と考えます。
本格的に介護が始まった際は、その「仕組み作り」に注力し、
その司令塔の役目をすると思ってください。
(それでも一時的に負担は大きいので、介護休職や短時間勤務も検討してください。)
一人で抱え込まず、使える制度を積極的に活用しましょう。
誤解②:介護が始まったら退職するしかない
仕事を続けながら介護している人も多くいます。
早めに会社に相談すれば、労働時間や勤務内容などの
調整をしてくれる可能性はあります。
まずは会社の制度や公的支援を確認して、それでも難しい場合に退職を検討する方が、将来の選択肢を残しやすくなります。
退職を検討する際は、
- 親の介護費用は確保できているか
- 退職金はどのような扱いとなるか
(自己都合と定年では額に差がある可能性あり) - 年金、資産などご自身の老後資金の見通し
- 介護中の住まいをどうするか
(一時的に実家で同居したら、介護サービス上不利にならないか?)
などを冷静に確認してから判断しましょう。
※この記事では制度の細かい例外までは扱いません。
判断の軸をつかむことを目的としています。
まとめ
介護が始まると、不安から「仕事を辞めるしかない」と考えてしまうことがあります。
しかし、介護離職は収入や年金、再就職など、その後の生活にも大きな影響を与える可能性があります。
まだ介護の心配がないうちに、「一人で抱え込まない」前提で
- 会社の制度を確認する
- 地域の介護保険サービスを確認する
- 相談窓口の場所を確認する
という順番で考えてみましょう。
相談先やサービスを確認しておくだけで、いざという時の不安は少し軽くなります。
👉 次に読むQ&A:q056 定年後も元気に過ごすための健康寿命の考え方は?
について整理します。ご自身の健康寿命を延ばすために、50代からできる備えを考えていきましょう。
この記事を書いた人
FPとうか
1級FP技能士/社会保険労務士試験合格者。
50代シングル会社員向けに、老後資金・働き方・学び直しなど、
「これからの人生を整えるための情報」を発信しています。
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