退職金の受け取り方、一時金と年金どちらを選ぶ?|シングル60ガイド
主に50代シングル会社員の定年前後の“気になる不安”に寄り添い、
年金・暮らし・働き方・終活まで制度に基づき解説しています。
実務経験と資格に基づく、わかりやすい情報発信を心がけています。
シングルの定年前後は、ひとりだからこそ迷いやすいもの。
「シングル60ガイド」は、定年前後によくある疑問について、
100の質問と回答で整理したQ&Aシリーズです。
「正解を決める」のではなく、「自分で判断するための考え方」を大切に、
FPとうかの視点でわかりやすくまとめています。
退職金って、一度にもらうのと年金でもらうの、どっちがいいんだろう?
よくある悩みだね。一時金は税金が軽くなりやすいし、年金は毎月の収入として使えるよ。
どっちが得って決まってるわけじゃないの?
生活設計や税金の状況によって変わるんだ。判断のポイントを整理してみよう。
退職金の受け取り方は主に2つ
前回、退職金は主に4種類あるとご案内しましたが
その受け取り方には、大きく分けて次の2つがあります。
- 一時金としてまとめて受け取る
- 年金形式で分割して受け取る
企業によっては、一時金だけかもしれず、
この2つを組み合わせて貰える制度かもしれません。
どちらにもメリット・注意点があるため、
まずは特徴を整理することが大切です。
一時金で受け取る場合の特徴
メリット
- 退職所得控除が使える
- 税負担が比較的軽くなりやすい
- まとまった資金として使える
退職金には退職所得控除という税制優遇があります。
そのため、長く勤めた場合は税負担がかなり軽くなることもあります。
退職日時点の勤続年数を元に、自分の退職所得控除を把握することが大事です。
退職所得控除、さらに一時金の所得税の計算については
次回詳しくご案内いたします。
注意点
- まとまった資金を自分で管理する必要がある
- 使い方によっては早く減る可能性がある
一度に受け取る分、資金管理は自分で行うことになります。
年金形式で受け取る場合の特徴
メリット
- 毎月の収入として使える
- 資金を計画的に受け取れる
年金で受け取る場合、一定期間にわたり定期的に受け取ります。
老後の生活費の柱の一つとして考えやすいのが特徴です。
注意点
- 雑所得として課税される場合がある
- 税や社会保険料負担が増えるケースもある
退職金を年金形式で受け取る場合、
税金の扱いが一時金と異なります。
年齢とその年の収入をベースとした公的年金等控除がありますが
それを超えると”雑所得”という区分で所得税の対象になります。
公的年金等控除は、65歳以上/未満で金額に違いがあり
同じ年金額でも、年齢で税金の額が変わり、手取りが異なります。
50代シングル会社員向けの視点
シングルの場合、退職金は老後資金の大きな柱になります。
出来る限り手取りを多くするため、税金や社会保険を意識して
判断することが大切です。
基本は一時金の退職金控除を確認し、できるだけ税金がかからないよう
計算することです。
その一方で、”退職金を何に使うか”の確認も重要です。
- 老後の生活費としたい
- 一時金は運用に充てたい
- 確実に入金される年金収入の方が安心
- 早いうちに住宅ローンを完全に返済したい
【判断のヒント】
- 退職金を生活費として毎月使う予定はありますか?
- まとまった資金が必要な予定はありますか?
生活設計と税金の両方を考えながら判断することがポイントです。
よくある誤解・注意点
誤解①:一時金でもらう方が必ず得
勤続年数が長いほど税金面では有利になりますが、
一時金の額が多くて、退職所得控除額を大幅に超えた時は
所得税や住民税の控除も発生します。
その場合は、退職所得控除額を超えた分は
年金で受け取るよう選択するのも一つの手段です。
税金だけではなく、”退職金をどう使うか”によっても
判断は変わります。
誤解②:年金でもらう方が安心
一度に大金が入り、うっかり使ってしまう恐れがある場合、
年金で受け取れれば、安心感があるのは確かです。
他の年金と合わせた収入が現役世代並みに高いと、
税金や社会保険料、さらに医療費や介護保険の自己負担が増すなど、
トータルで手取りが少なくなる場合もあります。
※この記事では制度の細かい例外までは扱いません。
判断の軸をつかむことを目的としています。
まとめ
退職金の受け取り方には、それぞれ特徴があります。
まずは
- 税金の違い
- 生活費とのバランス
- 資金の使い道
を整理してみましょう。
👉 次に読むQ&A: q015 退職金控除はいくら?仕組みと使い方を整理する
この記事を書いた人
FPとうか
1級FP技能士/社会保険労務士試験合格者。
50代シングル会社員向けに、老後資金・働き方・学び直しなど、
「これからの人生を整えるための情報」を発信しています。
●定年前後に知っておきたい「5つのポイント」はこちら






